戦国源氏物語-イケメン戦国と源氏物語の融合-〈改訂中〉
第3章 末摘花の巻―光秀中将-<R18>
抱き締めているからだを少し離し、片手で舞の頬を撫でる。
「いつまでも、俺と共にいてくれるか?」
「…はい…」
自分の片手を、頬を撫でている光秀中将の手に重ね、舞は誓う。
「私が…光秀様に何が出来るかわかりませんが…いつまでもお傍に居とうございます」
「おまえは俺の傍にこうしていてくれれば良い。
ああ。しかし、俺はいつもこう優しい訳ではないから、覚悟しておけ」
意地悪く、でも、甘く囁く光秀中将の言葉に、舞は顔を赤らめる。
「では、私もその時は拗ねて、甘えましょう…」
「舞…おまえは…」
光秀中将は苦笑して、もう一度力強く抱き締める。
「おまえの良くない噂は、亡き常陸宮が、愛らしいおまえにおとこを近寄らせないために作ったものかもしれぬな」
ぽつりと光秀中将は言うと、舞は恥ずかしそうに、でも花のような笑顔を見せる。
「…そうかもしれません…でも、光秀様、貴方様と出会えました」
ああ、そうだな、件の噂で誰も近寄らぬ邸に、物好きな俺が来て、舞という実は美しく雅やかな姫を捕まえる事が出来た。
光秀中将は再度きつく舞を抱き締めて囁いた。
「俺とおまえの愛はこれからだ。覚悟するが良い」
〈末摘花の巻 終〉