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戦国源氏物語-イケメン戦国と源氏物語の融合-〈改訂中〉

第33章 八ノ宮中君の巻―家康ノ宮と三成ノ君-<R18>


匂ノ宮と呼ばれる俺は、身分の高さがいつも面倒に思っている部分があった。

父が現帝で母が中宮、おじに右大臣がいて、おまけに亡き祖父は光源氏だ。

生きている時、紫と呼ばれていた祖母に俺は可愛がられて育った。

幼い時に宮中で育っていなかったそのせいか、兄宮たちより奔放と言われ、でも紫のおばあさまのおかげか、もともと持っているものなのか愛敬もあって、嫌われる事なくむしろ現帝や中宮からは大層愛されていると感じる。

そんな俺は、色好みと言われ、好き勝手におんなに手を出しているように言われている。

それはそうかもしれない。

一度きりのおんななんてざらだしね。

だって想像していた、俺の好みと違うんだから仕方ない。

でも愛する時は全力で愛するから、おんなたちは俺を恨む事なく、むしろ少しでも俺の近くに居たいらしくて、母宮の許には女房として働きたいと望む者が、大勢詰めかけていると聞いているんだ。

友で好敵手の三成に言わせると、おんなに対して冷たすぎる、らしいけれど、いちいち一人一人覚えて何度も文を送ったりなんてしていられないよ。

そんな俺がたった一人、執着し出したおんな。

宇治に住まう八ノ宮の中君。

鄙びたところに住んでいるから、からかいついでに文を送ってみたら、何とも清楚で可憐な字で返事がきた。

その字が俺好みだし、内容も俺の文に対してさらりと礼を述べるに留まって、むしろ好感の持てるものだったから、俺はこの姫をなんとも気になってしようがなくなってしまった。
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