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戦国源氏物語-イケメン戦国と源氏物語の融合-〈改訂中〉

第33章 八ノ宮中君の巻―家康ノ宮と三成ノ君-<R18>


さすが策士三成だな、このことについては将来、俺がもし帝になったら身分を引き上げてやる俺への忠誠とみてとる事にしよう。

そして、大君への挨拶が終わって、中君へ挨拶に向かう三成と、暗い中で俺は入れ替わる。

いよいよ文だけでやり取りしてきた、中君と会えるなんて、俺は他のおんなと会う時には思ったことのない興奮を覚える。

全ての合図は扇を鳴らし、女房がしずしずと暗い中、俺を誘導する。

そして、中君の待つ部屋へ入り、俺は静かに、この期待で膨れ上がりそうな心を押さえつけながら御簾へ近寄る。

中に居る女房たちが、座らず近寄る俺へ驚き、衣擦れをさせて離れていくのが聞こえる。

そうだ、そこから離れろ、中君一人にするが良い。

俺は御簾をくるりと引き上げ、からだを中へ滑り込ませると、隅に顔を袖で隠した娘が一人だけぽつりといた。

俺は娘に近寄り、娘を抱き締めると、驚いた様子で小さな声で問うてきた。

「…家康…さま?」

この香りで三成と違うと気付いたか。

そう、三成は生まれつきからだからかぐわしい香りを放つけれど、普通はそんな事は無いので俺は香りに興味を持ち、普段からふんだんに香を焚きしめている事から、匂ノ宮という名で呼ばれるようになったんだ。

「会いたかった…舞姫…」

何故俺が宇治へ来る事が出来たのか、益々驚いた様子でからだを強張らせる中君こと舞姫が、俺の腕の中にいる。

さぁ、俺はもう、止まれないから、思う存分貴女を愛そう。
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