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戦国源氏物語-イケメン戦国と源氏物語の融合-〈改訂中〉

第33章 八ノ宮中君の巻―家康ノ宮と三成ノ君-<R18>


女房も混乱して私の側からするりと離れてしまい、私は御簾の中に一人残される。

動けずに固まる私の前に、御簾をくるりと引き上げ音もなく入っていらした殿方は。



三成様では。



なかった。



あなたは、だれ…?



私はそうと気付くと顔を袖で隠し、横を急いで向いた。

その殿方はゆるゆると私に近寄り、逃げられない私をふんわりと抱き締めた。

殿方からは聞いた事もない、素晴らしい香りが漂う。



もしかして。



このかおり。





「…家康…さま…?」

恐る恐る、小さい声で、殿方に問うた。

殿方は私をすると、更に強く抱き締めて、囁かれたの。

「会いたかった…舞姫…」

やはり、このかたは、匂ノ宮様こと家康様。

どうして?お越しになるなんて聞いていない。

でも、それを伺う前に、家康様は私のあごを片手ですくい、私の顔を覗いて言われたわ。

「ああ…想像以上に可愛いかただ…貴女は俺のもの、誰にも渡さないよ…」
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