第29章 紫の巻―義元中将－＜R18＞

義元様は「わかった？」と私に聞かれ、私がこくりと頷くと、また熱をずんと私の中へ穿っていらした。

「ああ…う、うん…」

軽く私が喘ぐと、義元様は小さく微笑み、先程より更に激しく私の中を荒らしてゆく。

激しい水音が響き、耳で犯されているような気になり、義元様がじっと見つめる私のからだが淫らに揺れ、目でも犯されているような気になる。

義元様の動きが私を再度絶頂へもっていき、私は背中をのけぞり、突っ張らせる。

「あっ、あっ、だめ、だめぇ…」

鼓動が激しく波打ち、私の中が義元様をきゅっときつく咥えこみ、やがて解放すると同時に、弛緩したからだで大きく息を吐くと、義元様も激しく蠢き、私の中へ欲を放たれる。



「義元様、私を離さないで…」

愛し合った後、私はいつも、寂しくなる。

義元様が遠い人に感じられ、私は隣に義元様がいらっしゃるにも関わらず、一人でいるような気持ちになってしまう。

だからいつも言うの、私を離さないで、と。

義元様はそれを聞くと、私をいつもぎゅっと強く抱き締めて、「いつまでも離さないよ」と甘く囁いてくれる。

私は義元様の心からの言葉とわかっているけれど、何か、どこかで、ごくごく小さな引っ掛かりを持っていて、それがある時はっきりと気付くの。

愛されているのに、どうしてこんなに不安なの。

それに気付くのは、あのかた、朱雀帝の姫宮でいらっしゃる女三ノ宮様が、義元様の許へお出でになると決まった事から…