戦国源氏物語-イケメン戦国と源氏物語の融合-〈改訂中〉
第27章 六条御息所の巻―蘭丸中将-<R18>
「あの時の御方様も中将の君も本当に美しくて…私、横で見ていてうずいてしまいました。
早く蘭丸様に、私も愛していただきたい、と思ったものですわ」
「恥知らずと思いましたけれど、あれはあれで味わい深いものがありましたわ。なにせ御方様のお閨の技を見せていただきましたものね」
「あれは素晴らしゅうございましたわね、中将の君。御方様、あのような技はどこでお知りになられたのですか?」
真白の君に問われ、舞はにっこりする。
「ほほほ。あれは亡き東宮様より教えていただきましたのよ?東宮様は私が入内する前から女房達相手にかなり経験をお積みになっていらっしゃり、私が入内してからは私が東宮様を愛する方法をたっぷりと教えてくださいましたの」
「亡き東宮様から…さようでございましたか…」
二人の女房は感嘆の息を漏らす。
「それにしても…蘭丸様は高貴なかたをお忘れになる為に、私達三人とまた交歓したいとお望みだそうですわね…いかがかしら?」
舞から問われた女房二人は顔を見合わせ、そしてほぼ同時に答える。
「それは…あんな夜を過ごすのも、愉しみが一つ増えるというものですわね」
舞はその答えを聞くと、檜扇をぱちりと閉じ、文を一枚ひらひらと二人に見せる。
「では、蘭丸様にお返事をしましょうね。四人であの一夜を過ごしましょう、と」
「あらあら、もう蘭丸様からお願いが届いていたのですか?」
中将の君が目を瞬かせて言い、舞は美しい笑みを浮かべて答える。
「ええ、今朝ほど、散りかけた桜の枝に付けて、ね…あのかたもなかなか抜け目がないわね。私達があの事を忘れてしまわぬうちに、こうして誘ってくるのですもの」