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戦国源氏物語-イケメン戦国と源氏物語の融合-〈改訂中〉

第27章 六条御息所の巻―蘭丸中将-<R18>


愛し合う四人の姿は、やがて蘭丸中将が去る刻限となり、終わりを告げる。

とろとろとまどろむ女人達を、蘭丸中将が襲う。

「ほら、起きて。俺が帰る前にもう一度、だよ」

笑顔が妖艶さを深め、壮絶な色気を漂わせる蘭丸中将に、女人達はなすがままに愛し合う。

先程と同様な愛し方をされ、女人達は甘いおんなの香りを御帳台に漂わせ、蘭丸中将もおとこの匂いを女人達に味わわせる。

香りに狂わされる四人は、もう一度達して淫猥な表情を消す事もなく、倒れるように伏してまた一時のまどろみに入る。

「楽しかったよ…俺が求める女人はあのかただけど、貴女がた三人が相手をしてくれるなら、俺はあのかたを忘れられそうだ…」

蘭丸中将は扇を広げ、ふふ、と軽やかな、先程と全く違ういつもの可愛い笑顔を、眠る女人達に向けると、扇をぱちりと閉じ、御簾をからげ廊下に出る。

途端笑顔を消し、冷たい眼差しの表情に変えると、一人廊下を歩み御息所邸を去った。



「すっかりのあの若君にやられましたわね」

六条御息所舞が檜扇を広げて、ほほほ、と静かに笑みをこぼし、中将の君と真白の君も困ったように笑みを浮かべた。

あの後、三人へそれぞれきちんと後朝(きぬぎぬ)の文を贈ってきた蘭丸中将は、文の内容を全て変えてきて、舞が添削する事もない程華麗な歌を寄越してきたのだった。

「それまでの添削の歌は、それなりのものをお作りになっていたようですわね」

舞は、蘭丸中将に完全に騙されていたものの、それを怒る訳でもなかった。

「若いと言ってもやはり殿方ですのね。すっかり私、騙されました。二人に蘭丸様を篭絡してもらうお願いをしましたけれど、あちらのほうが一枚も二枚も上手でした」

「ほんに…蘭丸様はあんなにお可愛らしいお顔をしていらっしゃるのに、色好みと別称をお持ちなだけあらしゃいますわね」

中将の君が言うと、真白の君も同意する。
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