戦国源氏物語-イケメン戦国と源氏物語の融合-〈改訂中〉
第27章 六条御息所の巻―蘭丸中将-<R18>
蘭丸中将の淫靡な願いは、御息所の舞と中将の君と真白の君との四人で一夜を過ごす事で、真白の君を堕とす事でほぼ望みが達成されそうな状況になっていた。
針のように薄い月の出ている夜更け、蘭丸中将はそっと御息所の邸を訪れる。
真白の君が静かに表れ、二人でするすると目的の部屋に向かって進む。
無言の二人に細すぎる月の光は届かない。
しばらくして細々と女人の声が聞こえてくる。
舞と中将の君が二人きりで話しているところだった。
真白の君がちらりと後ろを見て、ここで待つように、と蘭丸中将に合図する。
蘭丸中将は少し頷き、その場で立ち、見上げて月を見た。
真白の君は襲の裾を翻し、中へいざってゆく。
「御方様、中将の君。今日はお二人にお願いがあります」
中からひそり、と真白の君の声が広がり、中将の君の「ま、何でしょう」という声が聞こえた。
「私、お二人と共に蘭丸中将様に愛されてみたいのです」
「…?」
舞と中将の君は意味がわからない、と無言になる。
「蘭丸中将様は御方様と中将の君と私の三人に、同時に愛され愛したいという望みをお持ちです。いかがでしょう…私、御方様のお閨の技を見てみたいのです」
真白の君は二人の返事を聞かず、いざって蘭丸中将の許へ戻り、蘭丸中将を引き入れた。