戦国源氏物語-イケメン戦国と源氏物語の融合-〈改訂中〉
第27章 六条御息所の巻―蘭丸中将-<R18>
ようやく御息所への足掛かりが出来た蘭丸中将。
中将の君も真白の君も不在の今、御息所に直接会うなら今のうちだ。
下級女房が身分差を考えてかなり前を歩き、蘭丸中将を御息所の許へ案内し、蘭丸中将はとうとう御息所の寝所へ入り込む。
「…誰、です?」
起きていたらしく、すぐ、入り込んだ蘭丸中将に気が付いた女人の声がする。
「私です、中将の蘭丸です。御息所様、いえ、舞様、お会いしたかったです」
「…!どうして、ここへ…」
御帳台の中に居る女人は伏していたのを起き上がり、逃げようとした。
「お待ちください、舞様」
蘭丸中将は急いで御簾の中へからだを滑らせ、逃げようとした舞の髪の毛を掴む。
「あっ…っ」
髪の毛を掴まれ、それ以上動けなくなり、のけ反る舞。
蘭丸中将は髪の毛を掴んだまま舞へ近寄り、掴んだ髪の毛ごとからだを抱き締める。
「いけませぬ…お離しください…」
ちからを込めて舞は拒否するが、蘭丸中将はますます両腕にちからを入れ、舞を離すまじと囁く。
「聞いてください、舞様。俺の気持ちは軽いものじゃないんです。でもなかなか直接お話しする機会が無いので、今日、こうして直接押しかけてしまったんです」