戦国源氏物語-イケメン戦国と源氏物語の融合-〈改訂中〉
第27章 六条御息所の巻―蘭丸中将-<R18>
蘭丸中将はしばらく六条へ行くのを止め、真白の君が里下がりで退出するのを待った。
この情報を得るのに、乳兄弟で腹心の惟光が、六条で懇意にしている下級女房が役立った。
彼女から惟光に情報が入るので、真白の君が里下がりしたところで、蘭丸中将は御息所の許へ赴く。
しかし、行ったところで、珍しくしんとして人が居る気配が無い。
「申し訳ございません、蘭丸様、一度は宴が始まったようですが、御息所様の具合が悪くなられ、皆様お帰りになり、御息所様もおやすみになられたとの事でございます」
下級女房から情報を得てきた惟光が、平伏して蘭丸中将に申し上げる。
「そう…ねぇ、惟光。おまえが付き合ってるその女房、御息所様のお部屋がどこかくらいは知っているんでしょ?」
「はあ、それは…しかし、蘭丸様、まさか…」
惟光は蘭丸中将の考えに気付き、それは今日はよくない、と注進する。
「さすがに今日はお辞めくださいませ。御息所様はお具合が悪く、おやすみになられています。その安眠を邪魔して、物の怪が蘭丸様に憑いては参りませぬ」
「だから良いでしょ。御息所様を見舞って、そのまま一晩もつれこむんだ。
弱っている御息所は簡単に堕ちそうでしょ?それに物の怪なんか居ないね。
おまえが付き合ってる女房を連れて来て、俺を御息所様の部屋へ案内させて」
言い出すと蘭丸中将は引かないので、仕方なく惟光は女房に自分の主の事を話し、御息所の許へ案内するよう頼んだ。
下級女房になると、自分の生活が安泰である事が優先になるので、光源氏こと蘭丸中将からの依頼となれば、すぐ案内すると返事があった。