戦国源氏物語-イケメン戦国と源氏物語の融合-〈改訂中〉
第3章 末摘花の巻―光秀中将-<R18>
「会っても、本当に恥ずかしがりやの姫様ですからね。
口すらきかないかもしれませんよ?」
しつこく命婦は念を押す。
そこまで恥ずかしがり屋なら、むしろ欠点ではなく、愛らしい。
それに、二人きりになったら、言葉は不要だ。
光秀中将は扇をぱちんと鳴らし、言い放った。
「案内せよ」
「会っても、本当に恥ずかしがりやの姫様ですからね。口すらきかないかもしれませんよ?」
しつこく命婦は念を押す。
そこまで恥ずかしがり屋なら、むしろ欠点ではなく、愛らしい。
それに、二人きりになったら、言葉は不要だ。
光秀中将は扇をぱちんと鳴らし、言い放った。
「案内せよ」
そして、光秀中将は目を見張った。
噂は全く当てにならない。
目の前にほのかに透けて見える舞姫は、鼻が垂れ下がり大きく先が赤い、と噂されていたが、そのような姿では全くなかった。
女房の言葉で笑みを深くし、ふふ、と笑った顔は、あくまで可憐で愛らしい。
「これは…思わぬ拾い物だ…」
「舞姫様」
「…なあに?」
「実は…光秀中将様が、姫様にお目にかかりたいとお越しなのです」
息を飲む舞姫の姿が、覗いている御簾(みす)から透けている。
「…お断りして。私が人と接するのは、苦手なの、ご存じでしょう?」