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戦国源氏物語-イケメン戦国と源氏物語の融合-〈改訂中〉

第27章 六条御息所の巻―蘭丸中将-<R18>


俺は堕とすと決めた女人には、まめに文を贈るんだ。

だから六条御息所にしょっちゅう文を贈り、それはことごとく添削されて戻ってきた。

「くっ…今度のは絶対良いと思ったのに…また戻ってきた…」

そうしてようやく歌を作り、そのまま自分で六条へ運ぶ事にした。

こうなったら直接御息所へ、その歌を添削してもらえば良いんだ、と俺は気付いた。

牛車に乗り込み、六条へゆるゆると赴く。

到着して中将の君を早速口説き、歌を御息所に贈りに来たから、直接話させてもらおうと思ったが、その中将の君は里下がりしていて不在だった。

そこへ出てきたのは、新参ながら物慣れた雰囲気を持ち、中将の君以上の美しさを放つ、真白の君という女房だった。

彼女は、本当は小兵衛(こひょうえ)の君と呼ばれる事になっていたらしい。

しかし御息所の邸へ上がった時から、氷の襲と呼ばれる白一色の衣装をまとっていることから、真白の君と呼び名を皆が替えたそうだ。

「ようこそお越しくださりました、蘭丸中将様」

白い衣装が照り映える事で美しい顔を更に際立たせ、その容姿は思わず見惚れる程で、中将の君同様、一晩相手をして欲しくなる女房の一人だ。

俺は思わず真白の君の手をそっと握り、囁いた。

「今宵は貴女と物語りを楽しみたいな」

俺の誘いに真白の君は了解と言わんばかりに、ほほ、と微笑んだ。
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