戦国源氏物語-イケメン戦国と源氏物語の融合-〈改訂中〉
第27章 六条御息所の巻―蘭丸中将-<R18>
主の御息所は御簾の奥に居て、俺達には全く姿はわからない。
取り次ぐのは全て女房だが、その女房達も美しく教養も十分有り、御息所が気遣う優雅な生活振りが非常に伺えるものだった。
「おや…蘭丸様がいらした…」
他の貴族達から、俺が登場した事でざわめきが起こる。
「蘭丸中将様よ…本当にお美しい…ここでお見掛け出来るなんて…」
女房達の嬉しそうな囁き声も聞こえる。
俺は御息所のいらっしゃる御簾の前に座り挨拶する。
「初めてお目にかかります、蘭丸です。今後はこちらにお伺いして、御息所様よりいろいろと勉強させていただきたいと存じます」
御簾の奥から檜扇を広げる音がし、御息所が何やら女房に耳打ちしている。
そして女房が声をあげる。
「ようこそお出でくださいました、蘭丸中将様。今宵は管弦の遊びをしてございます。
蘭丸中将様のお得意な楽器があらしゃいましたら、どうぞ、お聞かせくださりませ」
ふーん、現帝の息子である俺が挨拶しても、女房を通しての会話なんだ。
ま、最初はこんなものか、俺の得意な楽器は…っと、俺を誰だと思ってる?俺は光る君と言われているオトコで、俺は基本的に何でも出来るんだ。
でもここは大人しく、俺はとりあえず得意楽器は和琴と答えておいた。
すると、他の人がつま弾いていた和琴が回ってきたので、俺は調弦もせずそのまま好きなさまに掻き鳴らしてみた。
へぇ、これはなかなか粒がしっかりして、良い音に整えられている。