第25章 藤壺の巻―佐助中将－＜R18＞

－父帝の愛情を受けてはいたけれど、俺が本当に欲しかったのは、母御である桐壺更衣の愛情だった。

－しかし桐壺更衣は父帝が愛しすぎて、弘徽殿女御からの強すぎる嫉妬に命を落とした。

－父帝が愛しすぎなければ、母御は今も生きていたかもしれない。

－俺に心底愛情を掛けてくれる母御が俺の欲しいもの。

－だから俺から母御を奪った父帝に、父帝が一番愛する藤壺女御こと舞さんを抱いて不貞を働かせてやる。

しかし復讐というには、佐助中将は舞を愛してしまい、底へ落とすまでは出来そうになかった。

「愛してる…愛してる…」

佐助中将はうわ言のように舞を抱きながら何度も言い、舞はその言葉を聞きながら青ざめた表情のまま、妖しい腰つきに蕩かされて高みに昇る。

「佐助くん…だめ、だよ…私は貴方の、母、なんだから…」

息も絶え絶えに舞は言うが、佐助中将は開き直ったように言う。

「それを言ったら俺はきみの息子だ。でも血のつながりはないだろう？
だったら父帝の目を盗んで、俺は好きになった舞さんを抱きたいのだからしようがないだろう？舞さんも俺に抱かれて、何度も絶頂を迎えたって事は、俺が嫌ではないって事じゃないのか？」

「そ、それは聞いちゃだめ。私の口からは言えないよ…」

佐助中将の問いに、舞は本心をさすがに言う事は出来ないと拒否をする。

『本当は佐助中将を愛してる。帝の后である私は、でも自分の心のままに全てを伝えられないの。
だって帝の正室なんだもの。それを考えたら何も言えないの…』