戦国源氏物語-イケメン戦国と源氏物語の融合-〈改訂中〉
第25章 藤壺の巻―佐助中将-<R18>
姉として慕った感情は、いつの間にか『恋』へと変わっている事に、佐助はようやく気が付くが、舞はまかり間違っても父親の后で有り、恋情を囁く相手にはなり得ない。
しかし、佐助はある時、隙を狙って藤壺へと押し入った。
「だめだよ…今ならただの訪問先の間違いで済むから…
だから早く、ここから去って…!佐助くん…」
「舞さん、貴女は俺の心を知っているでしょう。
俺は貴女を愛している。だから、貴女が、欲しい」
「お願い諦めて…後生だから、どうぞこのまま去って…」
普段冷静な佐助の瞳が熱情に揺れ、それだけで舞のからだの熱をあげてゆく。
「舞さんと俺の年齢なら、母ではなく恋人でも通じるから…
俺は舞さんが欲しくてならない。
だから俺に抱かれて欲しい」
止まらない様子で、舞の下袴の紐を解く佐助中将は、熱病に浮かされた患者のように、沈着冷静と言われる普段の姿をかなぐり捨て、舞のからだにむしゃぶりついた。
「佐助くん…やめて…お願い…」
舞の抵抗も空しく、その声はやがて歓喜のものに替わってゆく。
舞の喘ぐ声が佐助中将自身の熱を高ぶらせ、二人が重なる姿を見せるのもすぐだった。
舞を自分のものにする佐助中将は、今迄の恋情を全てこの時に集約し、濃密な世界を舞に与え続け、絶頂に何度も何度も追い込んで、やがて二人で果てる。
母だけど恋人。息子だけど恋人。
二人のいびつで邪な関係は、御簾の中で繰り広げられる痴態の中に留まるが、佐助中将は舞を抱く事で、父である帝へ復讐をしている事に気が付いた。