戦国源氏物語-イケメン戦国と源氏物語の融合-〈改訂中〉
第25章 藤壺の巻―佐助中将-<R18>
舞も佐助中将を愛するものの、絶対それは口にする事は出来ない感情だった。
だから舞は必死に佐助中将とふたりきりにならないようにし、何も言わせないようにしていた。
だが、佐助中将は理由を作り、藤壺へ足を運んできた。
「ご機嫌うるわしく、舞様」
すらりとした長身を黒い束帯姿に身を包んだ佐助中将は凛々しく、女房達から吐息のようなうっとりするため息が漏れ聞こえた。
「本日はどうなさいましたか?」
舞は直接会話せず、身分高い女房を介して言葉を伝える。
佐助中将からすると、直接会話をしない舞は水臭いとしか言いようがないのだが、舞は佐助の恋情が女房達に知られては困る事から、直接話しをしないように気を付けたのだ。
「帝から内密のお話しを賜って参りました」
父帝からの内密の話し。
女房達はそれを信じ、するりと舞から離れ、静かに二人を残して部屋から去って行った。
舞は仕方なく、少し膝をすすめて前に出、佐助中将の言を待つ。
佐助中将も膝をすすめて舞の前に来ると、さっと御簾の裾から手を差しいれ、舞の手を握った。