戦国源氏物語-イケメン戦国と源氏物語の融合-〈改訂中〉
第23章 女三ノ宮の巻―信玄中将-<R18>
「それでは、私は衛門の督と今後も会って良いの?」
今迄とは違う、おずおずとした口調で聞いたのは舞。
信玄中将は頷き、内心思う。
『ま、このすごいからだを抱かない訳にはいかないからな。
俺が夜を過ごす時は、抱かれてもらう事は承知してもらわないとな』
「ありがとう…信玄様」
嬉しそうに舞は微笑み、衛門の督の近くへいざる。
「衛門の督、また貴方に会えるのね。嬉しいわ」
「…俺も嬉しい…」
ごく短く言って、衛門の督は近寄ってきた舞を抱き締めた。
「衛門の督、言っておくが、きみもちゃんと女二ノ宮の相手をせねばならないぞ」
「は、はい。そちらも気を付けます…信玄様、ありがとうございます…」
信玄の計らいで二人は、今後も会う事が叶い、そして周囲をだます為、信玄中将も時折舞の許で夜を過ごし、その時はたっぷりと気に入った舞のからだを堪能した。
そして舞は懐妊し、無事男の子を出産した。
美しいが信玄中将と似ていない面差しは、まさしく衛門の督のもの。
信玄中将は内心舌打ちし、娘だったら深窓育ちが出来るのに、よりによって男の子では将来外へ出て顔を見られ、衛門の督を知る者からよく似ている、と言われるだろうな、と苦労を一つ背負う事となった事態を苦々しく思った。
その子の名は、薫と名付けられた。