戦国源氏物語-イケメン戦国と源氏物語の融合-〈改訂中〉
第23章 女三ノ宮の巻―信玄中将-<R18>
青ざめてへたりこむ衛門の督と、着物を軽くひっかけて平然とする舞の姿を目に留めた信玄中将は、二人に声を掛けた。
「衛門の督、落ち着いて俺の話しを聞きなさい」
表情を変えない衛門の督に落ち着くよう言い、信玄中将は話し出した。
「まず、まぁ俺がいながら二人で不貞を働くとはよくやってくれたな」
それを聞いて、益々衛門の督は青ざめてがたがた震え出した。
「衛門の督、落ち着けと言っているだろう?最後まで俺の話しを聞きなさい」
信玄中将は苦々しい表情をして、衛門の督に注意した。
「しかし、二人の姿を見て、君たち二人は愛し合っているのがよくわかった。
俺のところに舞を降嫁させたのは、舞の父帝が娘可愛さに、俺に託したのが間違いだったと思う。
最初から衛門の督のところに降嫁させておけば、このような事にならなかっただろうな」
衛門の督が青い顔をしたまま、ようやく信玄中将を見た。
「衛門の督も姉の女二ノ宮を妻として迎えているし、俺も今更舞を離縁させる事も出来ない。そこで、二人が今後も会う事を俺は承知しよう」
「信玄様、それは…」
ようやく衛門の督は口を開いた。
「しかたないだろう。君たちは愛し合っているではないか。
しかしもう二人とも夫や妻のいる身であり、二人が一緒になる事は出来ないだろう?
だから俺はなるべく紫のところに居て、ただし子が出来た時に困るから、月に何度か舞のところで夜を過ごす事は必要だ。
ま、子が出来たら俺の子として育ててやるから安心しなさい」