戦国源氏物語-イケメン戦国と源氏物語の融合-〈改訂中〉
第3章 末摘花の巻―光秀中将-<R18>
「それで、どういう姫なのだ?」
光秀中将の宿直所(とのいどころ)である桐壺にて、大輔の命婦は光秀中将の髪の毛を直しながら、早速、常陸の宮の舞姫について話す。
光秀中将は扇を右手で持ち、開いたり閉じたりと弄びながら聞く。
「そうですねぇ、とにかくはにかみやですね」
「ほう…それで姿はどうなんだ?」
光秀中将は面白い話しを聞いた、といった表情を浮かべる。
「さぁ。お姿拝見したいと何度もお願いしているのですが、恥ずかしいからと全く見せていただけないんです」
明らかに光秀中将は舞姫に興味を持ったようだ。
「得意な楽器はあるのか?」
「得意かどうかは存じませんけれど、琴の琴をお弾きになりますよ」
「ほう…それは古風なかたとお見受けする」
「さぁねぇ、いかがでしょう。とにかく古風なしきたりのおうちですから」
「よし。では、一度琴の琴を聞きたい。手筈を整えてくれ」
そして、光秀中将は常陸の宮邸に忍び入り、舞姫の演奏を聞きに行く。
果してその深窓の姫は、光秀中将が気に入るか、命婦はいちかばちかの賭けに一人でそっと動き出す。