• テキストサイズ

戦国源氏物語-イケメン戦国と源氏物語の融合-〈改訂中〉

第23章 女三ノ宮の巻―信玄中将-<R18>


衛門の督は舞の策略にはまり、すっかり舞の虜になった。

舞の女房で自身の乳母の姪に当たる小侍従に、衛門の督は必死に頼み込む。

「お願いだ、何とかして、舞様と一度だけお話ししたい。
何とか一度だけ、その口実を作ってくれないか」

小侍従は衛門の督の頼みは聞いてあげたいものの、実際は舞の周辺には複数の女房が居て、そのような都合の良い状況を作るのは難しい。

「そうはおっしゃってもねぇ…舞様の前には、複数の女房がたがいらっしゃるので、衛門の督様のつけいる隙は無いのですよ」

「…ではせめて、文だけでも渡して欲しい」

小侍従が預かった文には熱心な言葉が並んでいた。

  よそに見て折らぬ嘆きは色濃くて 名残り恋しき花の夕影

衛門の督の狂おしい程、舞を慕う心が読み取れ、舞を満足させる。

『餌は撒いたわ…あとは衛門の督が入り込める隙が出来る日に、小侍従が手引きしてくれれば良いのだけど…』

檜扇を広げて顔を隠し、舞は衛門の督の、自分を見た時浮かべた衝撃的な表情を思い出し、ゆっくりと艶然と微笑んだ。

『私の浮気相手に相応しい衛門の督。早くいらして、私を抱いて。
貴方は私をどんな風に狂わせてくれるのかしら?』

淫らさを纏う舞の様子は、数日前まで生娘だったとは思えない妖艶な雰囲気を身にまつらわせていた。
/ 582ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp