戦国源氏物語-イケメン戦国と源氏物語の融合-〈改訂中〉
第19章 玉鬘の巻―政宗中将-
恋の返歌はまず拒む。
舞は奥へ逃げてしまい、そんな状況でも兵部卿の宮は切々と語り執着を露わにするが、返事は無くがっかりし、しかし、慎み深い兵部卿の宮は、夜のうちに帰られた。
兵部卿の宮はせっかくの、舞を己のものにする機会を自ら最後に潰してしまった。
「兵部卿の宮の様子はどうだった?あのかたの妻になるのはどうだ?」
「…それは私の決める事ではありませんもの…」
政宗中将の問いに、舞はあえかに答える。
自分で決められぬのではなく、決める権利が無いと言ってきたか。
兵部卿の宮の良いところ、悪いところを挙げて、政宗中将はあやふやな自分の立場を再認識する。
-ああ、やっぱりこの娘は手放したくない。
-どこかに縁付けてもここに住まわせよう。
-そして、そうなったら、俺も相手が出来るってものだろう?
野分(台風)の後、見舞いと称して舞を訪れると、まだ舞は身じまいを終えたばかりで女房達もざわついていた。
しかし政宗中将の姿に、女房達は『親子の語らいを邪魔しては』とその場をさがってゆく。
「眠れなかったのか?ずいぶんと遅いお目覚めだな」