戦国源氏物語-イケメン戦国と源氏物語の融合-〈改訂中〉
第15章 空蝉の巻―信長中将-<R18>
「おひと違い、でしょう…」
俺はうろたえるおんなが愛しくなった。
「ひと違いとはどういった事だ?俺は貴様をずっと望んでいた。だから貴様を間違えるなぞあり得ん。俺の胸の内を、貴様はただ黙って聞くが良い」
俺の言葉におんなは身を強張らせる。
俺は抱き締めていたその小さなからだを抱き上げて、自分のところへ戻ろうとした。
するとおんなが先程探していた“中将”が戻ってきた。
おんなの中将は俺が誰か気付き、その場でどうしよう、と崩れ落ちる。
「暁頃にお迎えに参れ」
俺は一言言い放ち、障子を閉めおんなを下して横たえるが、おんなは息だけが低く荒い。
「私はそれなりの身分の者でございます。貴方様には、貴方様に相応しい御身分のおんな君がいらっしゃるでしょう…」
おんなの抵抗が面白い。
「俺は身分なぞどうでも良い。とにかく貴様を望むだけだ」
俺の言葉に息を呑むおんながはっきりわかった。
そうだ、身分など関係ない、今はただの男と女として、俺は貴様が欲しいだけ。
だから貴様は俺に黙って抱かれていれば良いのだ。貴様は光栄に思えば良いのだ。
何故なら俺は光源氏で、現帝の二の宮であり、おんななら誰もが憧れ抱いて欲しいと切望するのだ。
貴様もこの俺に黙って抱かれ、あの絶頂を味わうが良い。