• テキストサイズ

戦国源氏物語-イケメン戦国と源氏物語の融合-〈改訂中〉

第15章 空蝉の巻―信長中将-<R18>


しばらくして、一度信長中将の前をさがった紀伊の守が、一族のこども達を連れて侍う(さぶらう)。

ひとり、面差しが違うこどもがいるのに、信長中将は気付く。

「亡くなった衛門の督(えもんのかみ)の子でございます」

「どうして衛門の督の子が、ここにいるのだ?」

「父、伊予の介の後添いのおんなが、この衛門の督の子の姉でございます」

なかなか頭の良さそうな顔をしているが、紀伊の守は自分の子の地位をあがらせる事に精一杯で、この子の事まで気に掛ける余裕は無いらしい。

「衛門の督は、その娘を宮仕えに入内させようとしていたらしいな。それが衛門の督が亡くなり、こうして伊予の介の後添いとなって、姉の運命、縁とはわからぬものだな」

信長中将は、そんな中の品のおんなの風情を知りたくなる。

しかし紀伊の守は実直で、おんなたちは下屋(しもや)に下がらせ、信長中将に近づけさせないようにしていた。



夜は更ける。

皆、寝静まり、森閑の中、信長中将の赤い瞳がぎらりと光る。

『おんなを襲う』

信長中将の昂る熱は、それを冷ます相手を求めてやまない。

信長中将は息を凝らし、誰か動くのを待つ。

そして、動いた者がひとり-
/ 582ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp