戦国源氏物語-イケメン戦国と源氏物語の融合-〈改訂中〉
第15章 空蝉の巻―信長中将-<R18>
信長中将は即座に質問を投げかけていた。
「私の父に当たります伊予の介の家に忌み事が起き、おんな達が移ってきております。
その為、かしましくて申し訳ございません」
しかし、そのかしましいおんな達の言葉は、信長中将には興味深く耳に入ってくる。
「お若いのに真面目腐った顔してるわねぇ、大臣家の姫様とご結婚なさってるから、夜歩きはなさらず、つまんないオ・ト・コ」
「そうでもなくてよ?隠れて結構あちこちおんなに手を出してるって噂」
「へえ、どなた?」
「式部卿の宮の姫様と聞いたわ。お二人はいとこにあたられ、家柄もお血筋も問題なくて、朝顔の花を贈られたってきいたわ。」
「ねぇ、じゃあ、その朝顔についていたお歌は?」
確かこんなだったわ、と女房が詠うのを聞いて、信長中将は全く違う歌になっているな、と苦笑する。
紀伊の守は、おんな達の好き勝手な発言を耳にし、青ざめていた。
「ま、まことに申し訳ございません!すぐ黙らせます!!」
「よい。おんな達が俺の事をどう思っているのか、知る事が出来てちょうどいい」
信長中将はぱちりと扇を開いて閉じ、紀伊の守の顔を見る。
「黙らせる必要はない、興ざめさせるな」
赤い瞳を光らせ、紀伊の守を黙らせるが、紀伊の守としては、変にこちらのおんな達に興味を持たれては困るという考えだった。
「かしこまりました…」