戦国源氏物語-イケメン戦国と源氏物語の融合-〈改訂中〉
第13章 葵の巻―光秀中将-<R18>
「おまえは可愛いな。もっと素直になれ」
「…は、はい…」
ちょっとむくれるような口調で返事を差し上げると、光秀様は私の顎をすくい、口付けをしてくださった。
「光秀様…」
「もっと早くにおまえが、こんな可愛い姫だと知っていれば良かった。そうしたら、もっともっと楽しい夫婦になって、毎日楽しく過ごせてただろう?」
「私も、今になって、そう思います。これから…光秀様と、そうなりたいと思います」
「舞」
光秀様はもう一度、私に口付けをくださる。
「早く、子が産まれて欲しいものだ。そして、俺はおまえが嫌になる程、愛を与えてやろう」
「幸せです、光秀様」
「俺もだ、舞」
そして。私の出産が近付く。
妖が屋敷の中を跋扈し、私を攻撃する。
父上や光秀様がお手配くださった僧たちが、汗みずくになって祈ってくださる。
全てが白い装束と道具に包まれ、私は出産という苦難を味わう。
こんな。死ぬような。苦しい!つらい!痛い!!
でも。光秀様、力をください。
貴方のお子をこの世に。
貴方に、貴方のお子を、抱き上げていただく為に。
私に。産み出す力をください。
私は全てのちからを振り絞り。そして。男の子を産む。
出産の場に、殿方は立ち入る事は出来ない。
私の無事な出産に、父上や母上はもとより、光秀様も涙を流し喜んでくださった、と後で聞いた…