戦国源氏物語-イケメン戦国と源氏物語の融合-〈改訂中〉
第13章 葵の巻―光秀中将-<R18>
「どうして良いかわからない?」
光秀様は私の言葉尻を捉えて質問なさる。
「…はい。今まで、光秀様とどのように接してよいのか、私、全くわからなかったんです。
入内して中宮・皇后になる身と言われて育ってまいりましたから、周りからも『何も言わず、ただ帝の意のままに』と言われてきたんです」
「そうか。それではやはり、兄上のところに入内すれば良かったのか…」
光秀様は顎に手を当てて、ふんと拗ねたように横目で私をご覧になる。
「いえ、私は光る君とおっしゃられている、光秀様と結婚出来て嬉しかったんです。
でも光秀様のように美しいかたと、どのようにお話ししてよいかわかりませんでしたし、どのように接して良いかわかりませんでした」
「…今のままで良いのだ」
光秀様はすっと音もなく私の側により、私を抱き締めてくださる。
それは、ずっと私の欲しかった、ぬくもり。
「今のように、素直に自分の考えを言いなさい。俺は女房が代弁して丁寧に応対されるより、おまえの口からおまえの言葉を聞きたい」
「はい…そうします」
抱き締められたまま、私は素直に答える。
そうなの?素直に自分の心のままに答えれば良いの?
光秀様にそれを伺うと、優しく微笑んで私の頬を撫でながら、話してくださる。