• テキストサイズ

戦国源氏物語-イケメン戦国と源氏物語の融合-〈改訂中〉

第13章 葵の巻―光秀中将-<R18>


貴族で子が出来ないのは、次の世代を継ぐ者がいない事。

どれだけ栄華を極めても、一世代で崩れてしまう事。

「ありがとう…」

ところが、光秀様は几帳を引き上げ、ずいと中に入られ、私の手を握って礼を言われる。

「ありがとう、良い子を産んでくれ」

驚いたのは私、どうして御礼を言われるのかしら?私が光秀様のお子を宿したから?

「…どうして…御礼をおっしゃるのですか…?私だけが光秀様のお子を身ごもったからですか?」

私は思い切って、光秀様の顔を見て、問い掛けた。

すると光秀様は目を見開いて、信じられないような顔をされ、私の手を更にきつく握る。

「何を言っている…貴女は私の妻だ。妻が懐妊して喜ばないおとこがいるのか?」

「…でも、光秀様には、たくさん愛をお掛けになるかたがいらっしゃるではありませんか」

とうとうみっともない言葉を告げてしまった。

でも、その私の言葉に光秀様はかえって表情を変え、余裕を湛えた笑みを浮かべた。

「ああ、貴女は嫉妬なさっていたのか…何て可愛いのだろう。もっと前からそんな言葉を聞きたかったものだ」

私は嫉妬していた、という自分の心に驚き、恥ずかしくなり顔を背け、でも、光秀様は私に覆いかぶさるようにして、私をぎゅっと抱き締めてくださった。
/ 582ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp