第1章 1
ん?この声は・・・。
「えーっと、美咲ちゃん?」
「はいっ・・・って・・・あれ?youさんですか!?」
電話の相手は、最近僕らのマネージャーになった美咲ちゃんだった。
「ん、kiyoやないでー」
僕は少し笑いながら、美咲ちゃんに言った。
すると美咲ちゃんは、
「わぁーどうしてだろ・・・?ごめんなさい、すみませんでした」
と何度も謝り、静かに礼儀正しく電話を切った。
突然の電話に僕はしばらくぼーっとしてから、またケータイをポケットに入れて、夜景に目を移す。
と。
「───ん、また着信や」
もう一度ケータイを開く。
画面に写し出されていた番号は、先程と同じ。
くすりと笑ってから、僕は電話を取った。
「もしもし」
「もしもし!?・・・って・・・、youさん??」
「はーい、youさんでーす」
やっぱり美咲ちゃんだった。
僕は笑いながら、電話の向こうで頭にクエスチョンマークを浮かべて、困惑しているであろう美咲ちゃん名乗った。
「ど・・・どうしてぇー!?」
焦りながら自分自身に問いかけているような彼女の声に、僕は再び笑う。