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君の言葉。

第1章 1


4月とはいえ、夜になると風が出てきて少し肌寒い。
屋上への扉を開けてから、スタジオにジャケットを置いてきたことを思い出し、僕は顔をしかめてため息をついた。
スタジオに戻るのが面倒だったので、仕方なくそのまま屋上の手すりまで歩み寄り、手すりに肘を載せて、頬杖をつく。
夜の闇と、対照的に輝くビルのネオン、そして頭上に輝く無数の星。

「キレーやなー・・・・・・」

海辺から見える夜景ほどではないが、光と闇のコラボレーションはこの大都会のそこかしこで見られる。
それらをぼんやりと見つめていると、ポケットに入れていたケータイが震えた。
───着信や。
僕はケータイを開き、発信者を確かめた。

「・・・・・・誰?」

見覚えのある番号。
しかし、名前は表示されていない。
首を傾げながら、控え目に出てみる。

「・・・・・・もしもし?」

「あ、もしもし!?kiyoさんですか!?」




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