第2章 第1章 旅立ちまで
「おはよう、お母さん。」
「おはよ、朱里。」
朱里の能力を知ってから、5年の月日が経ち、朱里は10歳になっていた。
5歳の時とはうってかわり、10歳にしては大人びていてどこか一歩引いたような性格になっていた。
5歳時の天真爛漫な様子は息を潜めているが、活発で元気なのは変わりない。
ただ、どこか冷めているのだ。
「今日さ、潔子と遊んでくるから。」
「また、潔子ちゃん?ホントに仲良しだね〜。」
「当たり前でしょ、潔子は私の親友なんだから!」
ニコッと笑った朱里は愛くるしいほど可愛らしかった。
しかし、パタパタと用意に走り回り、服装は可愛らしい顔に似合わず白いTシャツにハーフパンツと男子の様だ。
それを見て雪絵はため息をついた。
その格好を決まってある所に行くからだ。