第1章 偉大な海賊
「そこで、俺は言ってやったんだ。『誘惑に負けた』ってね・・・内心、決まった!と思った」
「はいはい、決まってるわね・・・それで?」
「まだ聞くのか?もう大体分かったろ」
「さっきもうちょっとで終わるって言ったでしょ。せっかくだから最後まで聞く」
「仕方ない奴だな。いいかよく見てろよ、それからこう・・・」
ジャックはおもむろに椅子から立ち上がると、斬り合いの再現でもしようと思ったのか、腕を大きく振った。
「うぉっと・・・」
その手が当たってぐらついたランプを受け止めようと私が勢いよく立ち上がり、私の椅子が倒れ、立ちくらみがして私もぐらついて、・・・
気がついたときには、ジャックが私の身体に覆い被さっていた。
「・・・!?」
慌てて立ち上がろうとするが、その身体は予想以上に重い。酔って寝ているのかもしれない。
「ちょっとジャック・・重い、どいて・・・っ」
そう言いながらジャックの背中をバンバンと叩くと、ジャックが小さく呻いた。
「痛いって・・・ちょっと黙ってろ」
ジャックが妙に艶っぽい声でそう囁き・・・唇が塞がれた。