第34章 三成、茶屋へ行く
誰にでも言う挨拶を告げ、その場から離れ、片付けの続きを行う。
男は食べながらじっとりと葉月を見やる。
その男の眼差しに三成が目を留める。
男がおかしな行動をしたら、止める。
そのつもりだったが、男は別段何の行動もせず、静かに菓子と茶を喫すると、銅貨を置いて立ち上がる。
そして男は葉月の側へ寄って話し掛ける。
「美味かったよ、ごちそうさん」
「いつもありがとうございます。
また良かったらいらしてくださいね」
笑顔でお礼を述べる葉月。
その様子を見ている三成は、舞に話し掛ける。
「…何でしょう?葉月さんが他の男と話していると、胸の辺りがもやもやします」
舞は口にしようとしていた茶を、あやうくこぼすところだった。
『三成くん…気付かなすぎだよ…』