第34章 三成、茶屋へ行く
片付けている葉月の姿を見た三成は、舞に断ると立ち上がり、片付けをしている葉月の側へ足を向ける。
舞は、三成が何をするのだろう、とまたしても驚いたまま見ていた。
「葉月さん」
三成は声を掛ける。
片付けをしていた葉月は手を止めて、声のしたほうを見る。
「あ、三成様…どうしたのですか?」
目をぱちくりさせて三成に気が付く。
「舞様とこちらへ羊羹を食べに参りました」
穏やかな笑みを浮かべて三成は葉月に話しかける。
「ああ、そうなんですね、ありがとうございます。
羊羹は私が作ったんですよ。どうぞごゆっくり」
ごゆっくり、の言葉と共に、葉月は柔らかい笑みを浮かべ、三成はその笑顔に一瞬息を飲む。
葉月は舞にも近寄って挨拶をする。
「舞姫様、先日に続いて、今日もお運びくださってありがとうございます。
どうぞゆっくりしていってくださいね」
「ありがとう」
舞も返答する。
隣の席に戻った三成は、舞に言う。