第34章 三成、茶屋へ行く
そして、四半刻後。
舞と三成は葉月の働く茶屋への道を歩いていた。
「茶屋、ですか?」
「うん、お団子と羊羹がとっても美味しいんだよ」
「そうですか、楽しみですね」
にこにこして三成は答える。
遠目で町娘たちが三成を見ているのがわかる。
『秀吉さんや政宗が一緒だったら、完全に囲まれてたな…』
織田家ゆかりの姫、舞が一緒だから、町娘たちは行動を起こさないのだ。
茶屋へ着くと、持ち帰り用の羊羹を売り切るところだった。
『ナイスタイミング、だね』
舞は内心喜ぶ。
「お持ち帰りの羊羹、販売終了しました!また明日お願いします!」
売り切れた事を知らせる葉月の声が聞こえる。
すると、三成が反応した。
「この声…葉月さんの声みたいですね?」
『え…三成くん…声、わかる…!?』
舞は驚く。