第34章 三成、茶屋へ行く
そして、ある日、舞は城の書庫にいる三成に声を掛ける。
「三成くん、ちょっと良い?」
「舞様、なんでしょう?」
本を探す手を止め、三成は舞を見る。
「今日ってこの後、何か予定ある?」
「今日…ですか?いえ、特にありませんが?」
本を手にしたまま、きょとんとして答える。
「そうしたら、一緒に行って欲しいところがあるのだけど良いかな?」
「舞様の頼みでしたら、どこでも良いですよ」
「ありがとう」
三成のほんわか笑顔に、舞も顔がほころぶ。
「じゃあ、支度して…四半刻後で良いかな?」
「かしこまりました」
四半刻後と約束して、舞は急いで秀吉に知らせに行く。
「秀吉さん、これから三成くんとお茶屋に行ってくるね!」
「おう、気を付けて行ってくるんだぞ」
「うん、いってきます」