第33章 誰が三成を連れて行く?
茶屋の様子を見て来た政宗と舞は、秀吉と家康に状況を伝える。
「人だかりは持ち帰り分を待つ人達だから、その人達がいなくなると空くよ」
舞が言う。
「でも忙しそうだったな。販売場所を片付けた後、栗の下処理に入ってからな」
「それ、大変なのか?」
「ああ、栗の下処理は大変だぞ。
一度ゆでてから皮と渋皮剥くんだが、栗の皮は知ってる通り固いだろ?
その固い皮を毎日、何個も剥くんだから大変だな」
秀吉が聞き、政宗が教える。
「葉月は働き者だよな」
「私もそう思う」
舞も同調する。
「舞も働き者だから、おまえが言うなら本当なんだな」
秀吉が頷くと、政宗が眉をひそめる。
「俺が言うと本当じゃないのか?」
「そんな事は言っていないが、舞が言うほうが信ぴょう性が高く感じられる」
秀吉は真顔でうそぶく。
「まぁ、そうしたら、持ち帰り羊羹を売るのが終わる頃に、三成を連れて行くとするか」
「誰が連れていく?」