第31章 4人で相談
「面倒に誘ってるとしか思えないんですけど」
更に仏頂面になって家康は答える。
「でも、まぁ、良いですよ。三成がその子とうまくいくようになって、俺に被害が及ばないようになれば、それが最善なので」
家康流最大限の譲歩な言い方に、秀吉は苦笑するが礼を言う。
「ありがとう。まぁ一緒に巻き込まれてくれ、家康」
家康も秀吉のお礼の言葉に苦笑する。
「じゃあ、どうするか。全員で三成を茶屋へ引っ張って行くか」
「待って、秀吉さん。すごく混んでるんでしょう?
なら、まず誰かが見に行ってみたらどうかな?」
舞の提案に誰が茶屋を見てくるか、の話しになる。
「俺は嫌ですよ。甘いもの食べないし」
即座に家康は拒否する。
甘いものを好まないのは事実なので、家康以外の3人で話す。
「じゃあ、私が行くよ」
舞が言うと、政宗も言う。
「俺も行こう。例の羊羹、もう一度食べたかったんだ」
「すまんな。じゃあ、政宗と舞の二人で頼む」
「秀吉さんは行かないの?」
「ああ、大勢で行くのも大儀そうだろ?」
「まぁ…秀吉さんと政宗が一緒にいたら、輪を掛けて人だかりがすごそうだもんね」
舞は想像したのか、くすくす笑いながら言って、こうして様子見が決まった。