第31章 4人で相談
「おいおい、どこ行くんだよ、家康」
がしっと後ろから羽交い絞めにするように、政宗が留めさせる。
「…政宗さんと秀吉さんがいるから、なんかくだらない事考えてそうで」
つまらなさそうな表情で家康は政宗に言う。
はちみつ色のふわふわした髪の毛。
翡翠色の引き込まれそうな大き目の瞳。
茶系と黄色の衣装が、本人の落ち着いた挙措を更に落ち着いたものにしている。
「家康、ごめんね。話しだけでも聞いてくれないかな?」
舞が懇願すると、一瞬の間を置いて、後ろを振り向き、仕方ないといった様子で舞の部屋に入り、襖を閉める。
「話しってなに?」
めんどくさそうに家康は聞く。
「あのね…」
三成と葉月の事を話すと、家康は眉間にしわを寄せて、明らかに不愉快そうな顔をした。
「名前を言いたくもないやつの面倒を、なんで俺が見なくちゃならないんですか」
「別に家康に面倒をみてくれとは言ってない」
政宗はしれしれと答える。
「面白そうだから巻き込まれてみないか、と誘ってるだけだ」