第30章 光秀と
翌日。
登城した秀吉は、早速光秀を捕まえる。
「葉月について今も調べてるのか?」
「まぁな。信長様は違うとおっしゃるが、猫を被ってる可能性も未だ捨てきれない」
が、もう調べるのは終わらせる、と言う光秀。
「調べても、上杉と全くつながらない」
上杉の者と接触をしている様子は全く無いという。
「ここまで俺が調べて、尻尾を全く掴ませないなら、本当に上杉と無関係か、反対に余程隠すのがうまいか、のどちらかだ。
だから信長様にもお伝えし、調査終了とする」
「そうか…そういや、葉月の茶屋の羊羹を知っているか?」
「ああ、勿論。今、安土城下で人気だぞ。
秀吉、知らなかったのか?」
「全く動向に気付かなかった。
顔も合わせないから、忙しいのも知らなかったしな」
光秀はおやおやと肩をすくめる。
「その様子なら、三成とその娘が会っているかどうかも知らぬという事か」
「…二人は会っているのか?」
秀吉は二人の仲が知らぬ間に進展していたのかと驚く。
光秀は肩をすくめながら笑って答える。