第26章 相談
「…何の悪巧みだよ?」
廊下から突然の声。
「その声は政宗?」
舞が驚いて問う。
「おう、二人の話し、丸聞こえ」
政宗が襖をからりと開けて、舞と秀吉の前に姿を見せた。
焦げ茶のさらりとした髪。
どこまでも澄んだ紺碧色の瞳。
長身に二本差しの刀がいかにも武士といった姿で、男の秀吉すら惚れ惚れする姿だ。
「んで?三成がどうしたって?」
ニヤッと笑いながら、秀吉の横に腰を下ろす。
舞は手早くお茶を淹れ、政宗に出す。
「ありがとな、舞」
礼を言って、政宗は一口お茶をすすり、舞は一瞬緊張する。
政宗はお茶の淹れ方を舞に指南したことから、時々抜き打ちでやってきて、お茶の淹れ方がいい加減になってないか確認するのだ。
「ん、美味いな。お茶を淹れるの上手くなったな」
優しく微笑む政宗に、舞もほっとした笑顔を見せた。