第26章 相談
「えー、そうなの?」
舞は小首を傾げて言う。
「葉月さんて、頭の回りそうな雰囲気してるけどねぇ」
舞の縫い物の手を止めさせてしまって申し訳ないが、秀吉一人には手に負えなかった。
「葉月は他のことなら頭が回るようだが、色恋沙汰になると鈍くなるようだ。
三成は自分の事をわかってないぶん、更に手に負えん」
舞はくすくす笑いながら秀吉にいう。
「でも、その二人をどうにかしたいんだから、秀吉さんも相当な世話焼きね」
「んー、あー、そう、かもなぁ」
自分にも困ったものだ、といった体で秀吉は肩をすくめる。
「ねえ、秀吉さん」
舞がふと気付いたように言う。
「なんだ?」
「葉月さん、お茶屋さんに手伝いに行くって言ったよね?」
「ん?ああ、向こうの女将に、俺が許可を出せば手伝って良いと言われたそうだ」
それなら、と舞は提案する。
「じゃあ、その茶屋に三成くん連れて行ったらどうかな?」
「ああ…なるほど。とりあえず顔は合わせるよな」