第24章 どう思う?
驚きながら言う秀吉に、苦笑しながら葉月は言う。
「手伝わざるをえないくらい、余程ひどい様子だったのかも知れませんね」
自虐的に自分の水汲みの様子を思い出す。
「いや、そういう事ではないと思う…」
ぼそりとつぶやき、秀吉は襖のすぐそばに座る葉月を見る。
着るものが無いというので与えた、着慣れた紫苑色に格子柄の着物。
髪の毛は普段は丸めて、かんざしを一本挿しているだけの、ごく地味な姿。
そのかんざしも、竹が使わなくなったものを譲ってもらったらしい。
化粧気もない。
顔立ちはすっきりと、綺麗かそうでないか分けるとすると、綺麗の部類に入るが、かと言って舞程の華やかさはない。
その、どこにでもいそうな娘を何故気に入ったのか。
三成に直接聞くか、と思う秀吉だった。