第3章 豊臣秀吉
「あの木刀を持って、このかたと対峙してくださったのです」
「…ほう」
顎に左手を当て、話しを聞いていたそのイケメン武士は、ニッと笑って男を見た。
「まず、難癖つけて支払いしないおまえさんが悪いな」
刀を持った男は、自分の非を突き付けられた事に顔を歪める。
つと、イケメン武士は後ろを振り向く。
「こいつを連れて行け」
「はっ!」
人々の後ろから二人の武士が出てきて、男を両側からがっちり押さえ、どこやらへ連れて行った。
「このアマ、次に会ったら絶対犯して、売り飛ばしてやるからな!」
男の怒鳴り声だけが残された。
『お断り。なんで犯されて売り飛ばされなきゃならないのよ』
心の中で悪態をつく葉月だった。
「…さて」
イケメン武士は葉月をじろりと見る。
「俺は、豊臣秀吉。
おまえ、名前は?
どうしてそんなけったいな格好をしている?」