第24章 どう思う?
「はい。お店をやれるようになれば、とりあえず一人で生きていけると思います」
「…一人で生きていける…」
更に眉をひそめる秀吉。
「はい、茶屋のおばさんは、秀吉様から許可をもらえば、働かせてあげる、と言ってくれました」
「まあ、もしかしたら見張りが付くかもしれぬが…俺は構わんよ」
「ありがとうございます!」
許可が出て葉月は喜ぶ。
「…おまえ、一人で生きていくのか?」
「?」
問われた意味がわからず、目を瞬かせる。
「どういう事でしょうか?」
「いや…恋仲も作らず、一人で死ぬまで生きていくのか、と思ってな…」
「…えーと、それは、あのう、心配してくださるんですか?」
葉月は驚いて、目をぱちぱちしながら、秀吉に問う。
「まあ、おまえの素性は相変わらずはっきりわからないが、様子を見ていておかしいところはなさそうだ、と、俺は思ったからな」
「…はぁ」
とりあえず秀吉からは怪しまれなくなったと思って良いようだ。