第23章 茶屋へ行く
訳のわからない話しを理解したおばさんに脱帽する葉月。
「まあ、あんたが誰でもいいよ。私の名前は、春。
豊臣秀吉様から許可をもらったら、手伝いにきておくれ」
布団の中からおばさんは、柔らかく微笑む。
「ありがとう!」
大きな味方を見付けたようで、思わずおばさんに抱きつく。
「おやおや。抱きつくなら恋仲のおとこにしておきな」
布団の中のおばさんは苦笑する。
「恋仲?そんなのいないですよ」
あは、と笑う。
元の時代で近しい人は、いた。
でも、恋人だったかというと、そこまでの仲ではなかったっけ…
そして、御殿に戻って、時間があったので、道着と袴を洗った。
自分の手で洗うそれは、またしても重労働だった。
洗濯機ってほんと、ありがたい家電だったんだな、と、手を動かしながら思った。