• テキストサイズ

イケメン戦国 「めぐり逢い」

第181章 別れの準備


弥生は目を細めてきょとんとする成に続けて言う。

「違う歴史の中にいるなら、同じ歴史を作らないでね。きっと未来にいる私たちは、あんたたちが最後まで幸せでいる事を望むだけだから」

声が震えて弥生の目から涙がこぼれ、葉月も一緒になって泣き出す。

「おねえちゃん…」

「生きて、不幸にならないように…私たちが望むのは…幸せに生きて…それだけ…」

「うん…」

姉妹が泣くのを、成はじっと見ているだけだった。



「…もう準備は完璧なの?」

ひとしきり泣くと、振り払うように弥生は聞く。

「…うん…持って行くものは用意した…」

「…そう…もう…すぐ…だもんね…」

しんみりした表情から、途端毅然とした様子に弥生は変わる。

「当日はワームホールの出るところへ私が付き添う。そしてあんたたちがいなくなるところを、私が見送るから」

「うん、わかった」

そして葉月は机に向かうと、引き出しから封筒を二通取り出した。

「おとうさんとおかあさんへの手紙。今迄のお礼と…戦国へ行く事の謝罪…なんだ…」

封筒を引き出しにしまうと、また葉月と弥生は涙をこぼしてしまった。
/ 565ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp