第171章 ほんとうのこと
二人は下へ降り、両親のところへ行く。
「何なの、珍しい、二人して。成ちゃん、おいで」
母が成を見て相好を崩して手を伸ばすと、成はほげほげと母に抱かれる。
「ほげ」
母にも足をぶらんぶらんされると楽しいのか、きゃっきゃっと喜ぶ成に隣の父も笑顔を見せる。
「ほら、成、じじのところにもおいで」
同じように、更に激しくぶらんぶらんされて、成は大喜びする。
成とひとしきり遊んで成を下すと、両親の部屋の中をハイハイでうろうろし出す中、四人がテーブルの前に座る。
「それで一体何だ?」
「…」
葉月と弥生は顔を見あわせ、葉月が口を開く。
「…あのね、私と成、成の父親の居るところに戻ります」
「…は?」
両親は初めて聞く、成の父親の事に目を見開く。
「成の父親は、戦国時代の武将、石田三成なの。二か月後、戦国時代に戻れる路が開くから、それで成と戻ります」
葉月の言葉を何度か咀嚼するように頭の中で理解させようとするが、やはりあまりに突拍子もない内容に、母が笑いながら言う。