第170章 動ける日
帰宅した弥生は、風呂上りにタオルで髪の毛を拭きながら部屋へ入り、並べた式を見出す。
「…ここから違うのか…」
佐助の式が書かれている紙を見て、自分の式とどう違うのか確認する。
「ふーん、こうするのか…そりゃあ思いつかないわ…」
ぶつぶつ言いつつ、そして順番に式をパソコンに入力していき、やがて出てきた答えに弥生は驚く。
「うそ…もう、間もなくだ…」
近い日にちが答えとして出て、でも行くか行かないかを決めるのは、葉月だ。
行くと決めたら、送ってやらないとならない。
「おとうさんとおかあさんをどうするかな…」
当然だが葉月は成を戦国へ連れて行くだろう。
その時、ひっそり葉月と成がいなくなったら絶対大騒ぎして、警察でも呼びそうだな、と弥生は思う。
「…行くなら、思い切って二人に本当の事を話さないとな…」
両親が絶対拒否をするのが今から思い起こされ、弥生は頭をぼりり、と掻いた。
「あ…っと、葉月に教えておくかな」
葉月の部屋に行き、起きているか聞くと葉月の声で「なーにー」と声がするので、弥生はドアを開けて部屋に入った。
「…何してるの?」
葉月は床に寝そべって足を90度に上げ、成を自分の足の裏に腹のあたりを乗せて、ぶーんぶーん、と飛行機の真似をして遊んでおり、成はきゃはきゃは笑っていた。