第21章 織田信長
「葉月、慎め、御館様の前だぞ」
秀吉が注意する。
「ご、ごめんなさい…でも…さんざん聞いたお名前だったので…」
「…誰から?」
家康が嫌そうに尋ねる。
「秀吉様の御殿の女中さんたちからです…」
三成は手を払いのけられたのも気にせず、話しかけてくる。
「先日、秀吉様の御殿の中庭にて、木刀を持って何かされてましたね。
あの所作が美しくて、是非もう一度見せていただきたいのですが」
「中庭…木刀…所作…ああ、剣道形ですね。
あれでよろしければいつでもやります…」
このアイドルなら、女中さん達が騒いでいたのもわかるな、とぼんやり考えながら答える。
「それなら貴様、俺たちにも見せろ」
信長からも声が掛かり、何故か剣道形を信長達の前で披露する事になってしまった…