第165章 ビデオ撮影
父親と母親に成がハイハイした、と言ったところ、即座にビデオが出てきて、成を撮り出した。
「成、ほらじぃじにハイハイ見せてごらん」
「ばぁばにも見せてちょうだい、成ちゃん」
ビデオを構えた父親と、すぐ横で待ち構える母親の前で、それでもお尻を突き上げ、ゆっくりとハイハイの姿勢を取り、のそのそと動き出す。
「まぁ、成ちゃん、上手ねぇ」
「ほげっほげー」
成はハイハイ出来るようになったのが嬉しいらしく、何やら言いながら動き回っていた。
「成のハイハイデビュー日だな」
父親がビデオで撮影しながら、じじバカ丸出しで言う。
「上手ねぇ、可愛いわねぇ」
ただ、ただ、感心するのは母親。
「成ちゃん、こっち向いて」
母親が斜め後ろから声を掛けると、ハイハイの体勢のまま頭だけ声の方向へ向けるが、成のにっこりした顔が可愛いと、父親も母親も相好を崩す。
「ほげっ」
もう用は無いの、とまた前を向き、のそのそ動き出す。
そしてそのまま成は廊下へ出て、父親もビデオを持ったまま進む。
ゴン